調べ篇

創作のブログです。オリジナル曲とオリジナル対話篇(学術風味)を作って公開しています。

使用DAWソフト:Studio One 4 Artist(アドオンにてVST対応済み)。独学で作曲しており、同じ独学者に向けた記事を意識的によく書いています。

 近、自分の音楽にAIの画像を付ける(例えば、YouTubeの動画に使ったり)ことをよくやっているのですが、そのおかげか、再生数が大きく伸びました。


 アニメ調のイラストで、目を引きやすいものを使うとき、特に多くなります。


 しかし、イラストの出来に反して、曲のレベルは高くなく、そのせいか、低評価を多くもらうこともあります。


 自分の身の丈に合ったイラストを生成するべきなのかな? と思ったり……。


 また、AI画像への否定的感情というものも、無視できないのかなと。


 DTMer目線でいうと、OzoneなどのAIによるプラグインや、Synthesizer Vのような、AIによる歌唱ソフトがすでにあって、AIを活用することに、僕はあまり抵抗感がありませんでした。


 だから、AI画像を使うことにも、積極的になっていました。


 しかし、AIへの印象は、最近、悪くなってきているように感じます。


 AIが人の雇用を奪う存在であることが、ついに明るみに出たことによるのでしょう。


 このまま進歩すると、あらゆる業界で、仕事がAIに奪われる可能性があることも、もしかしたらみんな、少なからず感じ取っているのかもしれません。


 僕も、決して専門性の高い仕事などはしていないため、他人事ではないのでしょう。


 しかし、もちろん利点もあります。僕にとってそれは、作曲を助けてくれる点です。


 だから、なんとか共存していきたいなと考えています。


 でも、このままいくと、OzoneのようなAIを利用したプラグインや、Synthesizer Vのような、AIを歌唱に応用しているソフトまで、使用することへの忌避感が生まれるのではないかと、少々心配してます。


 まあ、目をあまり引かないような、背景的なAI画像だと、何の反応もないのですが(;^ω^)。


 あまり人目につかない画像のほうが、僕自身のレベルにもあってますし、しばらくはそういう画像を使えばいいのかもしれません。


 LoRAというのが、特に話題になってますが、そういうのは利用していない、不特定多数の画像から学習したAI画像しか使っていないので、偶然何かに似すぎていない限りは大丈夫かなと。


 この文章を読んでくださっている方にも、AIに対して様々な感情があると思いますが、僕は肯定寄りの見解を持ちつつも、日和見的と揶揄されるかもしれませんが、世間の空気を察知しながら、様子をうかがっていくつもりです。


 DTMerが幸せになれるような結末に至れるといいですね。





 常に申し訳ないのですが、一部の記事を非公開にしました。


 作曲について勉強すればするほど、自分がいかに無知かを思い知ります。


 このブログは、僕が作曲を勉強してきた記録のようなものになっていましたが、今読み返すと、DTM初心者の人に作曲を教えるという意味では、不適切な記事が多すぎました。


 僕も、ほんの少しずつではありますが成長してまして、自分の過去の記事が、とても読めたもんじゃないということに気づいたんですね( ;∀;)。


 なので、そうした記事は非公開にして、アクセスの多い一部の記事だけを残しました。


 もし興味深く読んでくれていた方がいたのなら、本当に申し訳ないです。


 しかし、本当に、あまりにも稚拙な記事が多かったので……。


 成長記録なら何書いてもいいかみたいに思ってたところもあったんですが、DTM初心者にいい加減なことは教えられないなと改心しました。もっと精進いたします。


 うすれば作曲が上手くなるでしょうか?


 音楽理論を本やネットで学びますか?


 作曲解説動画をYoutubeで見ますか?


 みんなが持ってるプラグインを買いますか?


 それとも、耳コピしますか?


 作曲に関しては、色んな人が色んなことを言っているけど、非常に奥の深い世界だし、ちょっとやそっとの文章では述べきれるものではないですよね。


 僕は、とりあえず耳コピをするのが大事だと思ってますが、まだまだ未熟で学ばなければいけないことは多いし、あまり滅多なことはいえないなと思うこともあります。


 耳コピにしたって、やり方があるし、ただコード進行を取るだけでは十分でないし、理論を学んでいないとなぜこの進行になるのかとか、なぜこのメロディになるのか、とかいったことがわからなかったりするし……。


 僕は、誰もが正解を探しているんだと思っています。


 どうすれば作曲が上手くなるのか、とか。


 どうすれば成績が良くなるか、仕事が上手くいくか。


 どうすれば人間関係が良くなるか。


 私たちの前には、いつもたくさんの問題があって、それらを、1つ1つ解決していかなければならないです。


 ときには、難問にぶち当たることもあります。


 そんなとき、どうすれば正解を見つけられるのか、わからないんですよね。


 だから、色々試してみます。


 僕も、作曲が上手くなりたくて、今までいろんなものにお金を使ってきました。


 遠回りだったなと思うことはたくさんあります。仕事しなくてはならないので、独学するしかないのですが、本を買ったり、プラグインを買ったり、今にして思えば必要なかったな、ということにたくさん投資してきました。


 作曲のみならず、色んなことで、同じような経験をしたことは、誰しもあると思います。


 僕も、作曲以外でも、非常に大きな問題にぶち当たったことは何度かあります。


 解決できなかったり、解決にずいぶん時間をかけたものもあります。


 残念ながら、僕は問題に対する正解ーー万能薬を提示することはできません。


 というか、そもそも万能薬なんて、ないのでしょう。


 大きな問題というものは、だいたいにおいて、小さな問題の集積体なのです。


 色んな小さな問題がいくつも積み重なって、それをいくつも取り除いていかないと、解決までたどり着けない。


 ちょっとずつ前進していくしかないんですよね。


 誰しも、自分をなさけなく思うことはあるものですが、子供の頃の、何もできなかった自分を思い返してみれば、ずいぶん成長したものだと気付けるはずです。


 字を書けないし、言葉も満足に使えないし、算数だってできなかったはずです。


 ちょっとずつ訓練を積んで、私たちは今の自分にまで成長しました。


 義務教育があるから、みんな同じくらい成長しているから気づけないけど、実はすごいことなのかもしれませんね。


 作曲も、そのほかの色んな大きな問題たちも、結局は、そうやって地道に努力して、ちょっとずつ成長していくしかない、少しずつ問題をクリアして乗り越えていくしかないのだと思います。


 抽象的な話はうんざりでしょうか? まあ、作曲に関しては、やっぱり耳コピですね。構成やアレンジを事細かに分析して、真似る。これの繰り返しです。


 小さな問題をちょっとずつ片付けていくとはいっても、やっぱりやり方というものはあるだろうし、ただ努力すれば万事うまくいくわけではないのが、人生の難しいところですよね。


 僕が伝えたいのは、正解を見つけるために、もしかしたら余計なお金を使ってしまうかもしれませんよ、ということです。


 色んな人が、生きていくためにお金を必要としています。


 だから、例えば誰かが、このプラグインを買うといいですよ、と宣伝してくることもあるでしょう。


 それが、実際良く作用することもあります。10個おすすめされて、10個ぜんぶ単なる宣伝であり、実際は10個ぜんぶ役立たない、ということはないんですよね。2,3個役立つ可能性はある。それがまた難しいところで。


 生きていくためには宣伝もやむなしなのですが、それが原因で、余計な出費をして、結局作曲力は上がらず、気が付けば浪費ばかりしてしまっていた、というのは、やはり悲しいです。


 プラグインを買っても、作曲力は上がりません


 プラグイン収集が趣味とか、そういうのであれば止めませんが、一度、自分がどうなりたがっているか確認して、浪費しすぎていないか考えたほうがいい気がします。


 作曲以外でも、同様のことは言えます。


 人間、問題解決のスペシャリストを求めて、あれやこれや買ってしまいがちです。中には怪しい団体に飲まれてしまうような人もいるかもしれません。気を付けましょう……。








 カロのバンドスコアを参考に、インストバンドの曲を1曲書いてみました。





 六兆年と一夜物語という作品を下敷きにしており、コード進行をオリジナルのものに変えている以外は、かなり似ています。


 オリジナリティという点では残念な作品ですが、こうした学習を繰り返して、少しでも独創性を身に着けていきたく思います。


 DTMerの方で、この曲をもし魅力的に思ってくれた方がいたら、同じようにバンドスコアを参考に、バンドサウンドを作ってみてください。


 まだ始めたばかりなので確かなことは言えませんが、様々なバンドサウンドから学ぶことで、きっと作曲力は上がっていくと思います。









 ほとんどバンドスコアから流用しているので、アレンジの方法についてはそちらを参考にしてください。


 ちなみに、僕はシンコー・ミュージックの超定番ボカロベスト☆ヒッツ18というバンドスコアを参考にしました。


 ここでは、コード進行だけ書いておきます。


 キーはCです。


<イントロ>


 Dm7 |Em7 |

 B♭7 |A7 |


 Dm7 |Em7 |

 A7sus4 |A7 |



<Aメロ>


 CM7 |G |

 D7 |Dm7 |


 CM7 |E7 |

 Am |E7 |



 以上8小節を繰り返し。



<Bメロ>


※キーGに転調。

 Am → D7(♭9) |

 GM7 → CM7 → E7 |


 Am → D7(♭9) |

 GM7 → CM7 → Em7 |


 F#m7-5 → B7 | Em7 → C#m7-5 → F#7 |


※キーCに回帰。

 FM7(9) |

 G7(♭9) → Am → G|



<サビ>


 FM7 → E7 |

 Am7 → D7 |

 Bm7(9) → E7 |

 FM7 → B♭7 |


 FM7 → E7 |

 Am7 → D7 |

 FM7 → E7sus4 |

 E7 → Am |



 以上8小節を繰り返し。



<アウトロ>


 Dm7 |Em7 |

 B♭7 |A7 |


 Dm7 |Em7 |

 A7sus4 |A7 → E7 |



 Dm7 |Em7 |

 B♭7 |A7 |


 Dm7 |Em7 |

 A7sus4 |A7 |





 全体的に、ドミナントセブンス(G7などの属七の和音)を多用しています。


 どういうコード進行にしようか考えたとき、ドミナントセブンスを使うことは、ダイアトニック(※無転調や無借用)から自然に響きを広げることができるので、とても取り入れやすく、使いやすいんですね(個人的には、ですが)。


 基本としては、ツーファイブやセカンダリードミナントの形で取り入れていくわけですが、それらとは違う形で使うこともあり、最初は難しいかもしれません。


 もしドミナントセブンスをうまく取り入れられない人は、市販のコード進行集なんかを参考にしてみてください。どういう流れでドミナントセブンスを使っているか、参考になると思います。


 また、ツーファイブ、マイナーツーファイブ、セカンダリードミナント、代理コード(※E7→Amの代わりにE7→FM7、というAmの代理のFM7に進行したり、などで使います)などについて知らない方は、コード理論を学んでおいたほうが良いかもしれません。これらの知識があると、楽譜の読解も楽になります。





 Studio Oneユーザーの方で、同じようなプラグインエフェクトを毎回挿している(インサートしている)、という人はいませんか?


 たとえば、イコライザー(EQ)や、コンプレッサーなんかですね。この辺は、すべてのトラックに挿している人も多いと思います。


 そのようなプラグインの組み合わせを、一度に同時にインサート出来たらいいですよね?


 実はできるんです。


fxms1



 まず、音源を立ち上げます(画面にドラッグ・アンド・ドロップする)。もちろん、ループ素材なんかでもいいです。


 次に、同時に挿したいプラグインの組み合わせを、立ち上げた音源のトラックにインサートします。


fxms2



 ここでは、EQ、コンプレッサー、リミッターを挿しました。


fxms3



 あとは、上の下向きの三角形の部分をクリックします。


fxms4



 そして、FXチェーンを保存をクリックし、名前を付けてエフェクトの組み合わせを保存します。


 次からは、三角の部分をクリックすると、保存した組み合わせが出てくるので、それを選択すれば、保存したエフェクトの組み合わせを、1つのトラックにまとめてインサートすることができます。


 また、保存する前に、各エフェクトのパラメータをいじっておくこともできます。


fxms5



 僕は、EQを使うときは、必ずローカットをします。上の赤丸の部分をクリックするだけでできます。


 人間の耳には、20Hz以下の音は聴こえません。ですが、音色によっては、この部分も鳴ってたりします。


 このローカットを行うことで、合奏の聴き映えが劇的に改善することがあるので、僕は、すべてのトラックのローカットをしています。ミックス初心者の方は試してみてください。


 このように、必ず何かの値にして使っている、というプラグインがあれば、それもあらかじめいじっておくことで、その設定も保存されます


 エフェクトチェーンを保存する前に、そうした設定も行っておきましょう。


※注意


 この保存されたエフェクトの組を、エフェクトチェーンというわけですが、エフェクトチェーンを挿すというのは、現在のエフェクトの挿している状態を、エフェクトチェーンの組に変えてしまうということになります(ややこしいので具体例で説明します(;´∀`))。


 例えば、エフェクトチェーンとして、EQ、コンプの2つを設定したとします。


 そして、エフェクトチェーンを挿したいトラックに、現在ディストーションのエフェクトが挿してあったとします。


 このトラックに、エフェクトチェーンを選択して挿すと、ディストーションは無くなり、EQとコンプが挿してある状態に変わってしまいます。


 だから、エフェクトチェーンは先に挿してください


 エフェクトチェーンを挿し忘れて、1つのトラックに色々エフェクトを挿して、色々な値に設定していた場合。その状態で、そういえば忘れてた、とエフェクトチェーンを挿してしまうと、せっかく設定したものがすべてパーになってしまうわけです。


 エフェクトチェーンの挿し忘れには気を付けましょう。






 もし、保存した内容を変更したいときは、次のようにします。


 まず、変更したいエフェクトチェーンを選択して挿します。


 次に、挿したトラックのエフェクトを、変更したい内容に挿し替えます。


 あとは、三角の部分をクリックし、FXチェーン〇〇を置換を選択します。


fxms6










 このような時短の方法は、様々あります。


 時短を行って、作曲の時間を増やせれば、それに越したことは無いし、面倒も省けて心にも優しいです。


 今回の、FXチェーンの保存については、毎回必ず挿すもの以外にも、このジャンルの曲を作るときは、よく挿しているな、とか、そういう組み合わせも保存しておくことで、時短になります。


 色々試してみてください。





 象主義の音楽は、ピアノ曲好きなら誰しも一度は憧れるものだと思います。


 今回、そのテイストをほんのり入れた曲を作ってみました。





 印象主義の影響を受けつつ、あくまで聴きやすい音楽を目指しました。印象主義の響きは渋いものも多く、これをいかに聴き心地の良い響きに仕上げるかが重要な点かもしれません。


 僕はピアノが弾けないので、完全な打ち込みで作りました。使用した音源はNIのThe Grandeurです。


tg1



 Grandeurは結構固い音がしますが、上の画像の赤囲みの部分(「TONE」の「COLOR」のノブ)を左側、SOFT方向に回すと音が柔らかくなります。クラシック系にはそのほうが良いかも。


 ちなみに、今回書いた曲ではサステインペダルを用いています。


tg2



 僕の使っているStudio Oneの場合、オートメーションのMIDIの項目(上の画像の赤囲みのところ)にSustain Pedal OnOffという項目があり、それをオートメーションに“追加”して使用します。


※オートメーションについてご存じない方は、詳しくはこちらを参照してください。古い記事で申し訳ない……。


tg3



 また、上の画像の紫囲みの部分(ANATOMY)の矢印のようなマークを押すと、上の画像のような画面になるはずです。


 この画面にある、赤囲みの部分である「PEDAL」の「HALFPEDAL」をオンにすると、サステインペダルのかけ具合を調整できます。


 Sustain Pedal 「OnOff」といいつつも、このオートメーションではオンとオフ以外の中間的な値を取ることができますが、その値の大きさが、HALFPEDALに関係してくるわけです。





§ コード進行等解説




 キー:E♭メジャー


〇イントロ


 Fsus4 |

 Fsus4/d♭ |×5小節 ※D♭メジャーに一時転調。d♭は単音のレ♭を表してます。

 Fsus4 |


 高速で動くアルペジオを使っています。こうした、高速でアルペジオやスケール(ペンタトニックスケールなど)を奏でて雰囲気を出すのは、結構見られます。


 また、ペンタトニックスケールを鳴らすと、東洋風の雰囲気が出やすく、印象主義っぽいテイストを盛り込みやすいです。7sus4やm7のアルペジオが、ペンタトニックの構成音になっているので、これらの和音もおすすめです。




〇メロディ1


 NC(ノンコード)、アウフタクト |

 A♭M7(9,+11,13) |左に同じ |

※複雑な和音ですが、左手がA♭、右手がGmやCsus4などのラ♭を含まない和音を奏でていて、組み合わさって複雑化しているだけです。


 A♭M7(9,+11,13) |

 Gm7 → Cm7(9) |


 A♭M7(9,+11,13) |左に同じ |

 Cm7(9,11) |

※これも複雑な和音ですが、左右に分けると、左手がC7sus4、右手がGmで、結果的にCm7(9,11)みたいな和音になっています。


 Cm7(9,11) → B♭6(9) |


 上の8小節繰り返し。




〇ブリッジ1


 CM7sus4(9) |

 Em7 → D5(13) |

 F → D5(13) |

※キーCに一時転調しています。




〇メロディ2


 D♭M7(+11) |

 E♭7(9) → D♭7(9) |

 D♭M7(+11) |

 D♭7(9) → B7(9) |


 D♭(+11) |左に同じ |

※左手は2音ずつ奏でていて、上の音はダイアトニックに沿って上行クリシェしています。


 Cm7(9,11) |


 この部分では、属7に9thのテンションを加えたコードを平行移動しています。印象主義で好まれた技法です。




〇メロディ3


 E♭ミクソリディアン。


 E♭ → E♭7(+9、-13) → D♭ |左に同じ |

※ミクソリディア旋法の応用です。


 ミクソリディア旋法では、メジャースケールでいうところのVの和音が主の和音として使われるわけです。


 Vはドミナントコードなので、オルタードテンションを使うことができます。


 ミクソリディア旋法を使うときは、Vの和音はしばしば属7ではなく、7度を排した形で使われます。なので、

 E♭(7度無し) → E♭7(+9、-13)(E♭をセブンスにしてオルタードテンションを加えた) → D♭(キーA♭ではIVの和音。V→IVの進行は、ミクソリディア旋法を活かすときの基本)


というように構成してあります。




〇ブリッジ2


 A♭M7sus4(9) → G♭M7sus4(9) → A♭M7sus4(9) |

 FM7sus4(9) → G♭M7-5(9) |


 印象主義のような近代クラシックでは、和音は結構クセのあるものが使われるので、こんなオリジナルコードもアリかな? と思ってM7sus4とか、M7-5とかを使ってます。


 どちらも長7度を含み、切なげな響きを醸すので、ロマンティックというか、あまり印象主義的ではないかもしれませんが、僕の好みとして使ってます。


 ちなみに平行移動していますが、A♭sus4をVIsus4と考えれば、VIsus4→Vsus4→VIsus4、と移動しているにすぎません(ダイアトニックの範疇です)。


 その上で、7thや9th以上のテンションを自由に加えた、と考えることができます。


 また、A♭M7sus4(9) → FM7sus4(9)の進行は、A♭sus4をVsus4と考えれば、Vsus4→IIIsus4、と移動しているにすぎず、これはVIsus4をVsus4に読み替えた、ピボット転調です。


 そして、FM7sus4(9) → G♭M7-5は、IIIsus4→IVM7-5、という進行です。


 この部分は全体として複雑ですが、ダイアトニックやピボット転調の拡張にすぎません。


 同時に、印象主義で好まれた“平行移動”になるように作ってあります。


 平行移動の際にメロディを奏でるのも一興ですが、コードだけ、あるいはせいぜいアルペジオを加えただけの構成にしても聴きやすく、魅力的に響くことがあります。




 CM7/b → C#m7/b |

 Bm7 → B7 |


 上2小節の繰り返し。


 ここは保続音を使った転調です。


 シという1音を共通させ、それを下で鳴らし続けることで、シを含む各和音~CM7、C#m7、Bm7、B7を進行させていき、転調しながらも違和感の弱い響きを得られます。




〇メロディ1の回帰


 メロディ1を再現しますが、左手は変化させてます。


 NC、アウフタクト |

 A♭M7(9,+11,13) |左に同じ |

 Gm7 |左に同じ |

 上4小節の繰り返し。


 上8小節の繰り返し。


 単音のソ(オクターブユニゾン)| で終わり。





 ポイントとしては、メロディ部分と、アルペジオやスケールを高速で奏でる部分、あるいはコードを平行移動させる部分、といった、メロディらしからぬ部分とを、上手く交替したり、混ぜ合わせたりしていくことです。


 僕の書いた曲は、長めのメロディを使っていますが、短めにしても良さそうです。


 短いスパンで同じフレーズを繰り返すのもよく使われます。この曲でも使ってます。


 ペンタトニックスケールはよく使われます。どのコードの上(IVとかVImとかIIsus4とか色々)で使うかで響きがずいぶん変わるので、色々試してみてください。


 テンポの揺れは基本で、今回の曲ではStudio Oneのテンポトラックを使って、テンポを細かく変化させています(弾いて打ち込めるなら、たぶん楽でしょう(^^;))。








 実のところ、まだまだ勉強が足りません。


 もっと印象主義作品を読んで、より良い曲が書けるようにするつもりです。クラシックの作品って勉強が難しいので、なかなか楽譜を読むことが無いのですが、気長にやっていこうと思います。





 Studio Oneでの耳コピの仕方について説明します。


※なお、僕はArtistを使っているのですが、現バージョンのProfessionalではコード解析ができるみたいです。申し訳ないのですが、その精度については述べていないので、悪しからず願います。


 耳コピにも色んな方法があります。ピアノで音取りして地道に採譜したり、スタンドアローンの支援ソフトを使ったり。


 その中の1つとして、DAWを使ったやり方もあります。Studio Oneなどの作曲用のソフトですね。


 ここではStudio Oneを使って、どのように耳コピするのか、初心者向けに詳しく解説したいと思います。


 まず、ブラウズを開きます。


mmcp_1



 上の赤囲みの部分ですね。


 次に、ファイルを選択します。


mmcp_2



 上の赤囲みの部分です。


mmcp_3



 ファイルを選択したら、上の赤囲みにあるような、空いている部分にカーソルを持って行って、右クリックします。


mmcp_3_2



 すると、上のようなコンテキストメニューがポップアップするので、新規ルートタブを選択します。


mmcp_3_3



 上の赤囲みの部分にあるように、ファイルという項目が追加されるはずです。


 これは一種のショートカットのようなもので、下に、「デスクトップ」、「ドキュメント」、「Studio One」、「サウンドセット」、「ボリューム」、などと表示されていますが、ここから、耳コピする対象の音楽ファイルを探していきます。


 「ドキュメント」にあれば、そこから飛べますし、「ミュージック」にある場合は、ボリューム→Windows→Users→「ユーザー名」(自分のユーザー名を選んでください)→Music、と探索していってください(※Windowsの場合です)。


 できれば、耳コピ用のフォルダを作るといいです。下のように、探索後、フォルダを右クリックして、ルートに設定します。


mmcp_3_4



 これで、次回からはすぐに、ルートに設定したフォルダを開けます。分類上などの理由で、複数のフォルダにファイルを置いている場合でも、複数ルートに設定してやることで対応できます。


 音楽ファイルを見つけたら、それを左画面へとドラッグ・アンド・ドロップします。


※Studio Oneでは、MP3やWAVといった形式のファイルを読み込めます。


 ドロップしたら、ミックスを開きます。


mmcp_4



 そして、Pro EQをインサートします。


mmcp_5



 Pro EQの赤丸の部分をクリックすると、ローカットが、紫丸の部分をクリックすると、ハイカットが、それぞれ可能です。


 これを使って、高域を抑制してベースなどを聴こえやすくしたり、低域を抑制して高音の楽器を聴こえやすくします。


 赤丸の部分をクリックし、左右に動かします。右に行くほど、低音がカットされます。


 また、紫丸の部分をクリックし、左右に動かします。左に行くほど、高音がカットされます。


 Pro EQを2つ以上挿して、高域と低域を同時に抑制することで、中域を聴こえやすくさせたりすることもできます。


mmcp_5_2



 あらかじめ複数挿しておき、上の画像にあるように、電源ボタンでオン・オフして使うといいと思います。


 これで準備が整いました。大変なのはここからです(;´∀`)。


 まず、テンポを分析します。メトロノーム機能などを使って、曲のテンポがどのくらいなのかを探っていきます。


mmcp_6



 もし、全曲にわたって分析したいのであれば、より正確なテンポの分析が望ましいです。しかし、一部分だけ分析したいなら、多少ズレても構いません。


※テンポが合っているかどうかは、曲の後ろのほうをメトロノームをかけながら聴くとわかります。テンポが少ししかズレていなくても、曲の後ろのほうになると、ズレが大きくなるので。


 難しいのは、テンポが揺らぐ曲です。ドラムスの入らない曲など、特に揺れます。多少のズレは仕方ないと割り切るしかない場合もあります(;O;)。



 そうしたら、曲を聴き、音取りしていきます。


 音を取ったら、その音と同じような音色のトラックを作成し、打ち込んでいきます


 例えば、音を取る対象がベースだったら、それと似たベースの音色のトラックを作って、取った音を打ち込みます。


 MIDIキーボードや、最低でも(25鍵でいいので)電子ピアノが無いと、音取りは難しいです。曲を聴きながら、鍵盤を弾いて音を取っていくのが望ましいでしょう。


mmcp_7



 Studio Oneでは、上の画像のように、指定した小節を繰り返し再生する機能があるので、これによって繰り返し再生して音取りすることもできます。


※MIDIキーボードがあれば、トラックの音源を奏でることができます。例えばピアノの音源なら、そのピアノの音を奏でられます。


mmcp_9



 なお、上の画像の赤囲みの部分をクリックして、該当するトラックを選択しておいてください(選択されていると、上の画像のようにやや白くなります)。


 例えばストリングスの音を取りたいときは、音取り用に作ったストリングスのトラックを選択して、音を確認します。


 それだけでなくMIDIキーボードは、シンセで音作りした際に、その音をすぐに確認できるので、作曲がはかどります。僕は5,000円くらいのを使ってますが、安いものでも結構有用です。



 音が取りにくいときは、前述のように、EQを使って関係ない帯域を削ります。


mmcp_8



 パッセージが速すぎて取りづらい、というときもあります。上のように、トラックの音声ファイル部分を右クリックし、スピードアップの数値をダブルクリック、0.5などに設定してやると、音声が遅くなります。0.5で半分の速さです。


 コピー対象がシンセ系の音の場合は、プリセットから似た音を探したり、自分で音作りして、耳コピ対象の音に近づけたりします。


 もし音作りしたいなら、自分で音作りするのは非常に重要です。最初は、プリセットから似た音を探すのがいいでしょうが、その際、どのようにそのプリセットが作られているのか、シンセのパラメータをチェックしておきましょう。


 そして、チェックした部分を思い出しながら、すぐに一から自分で音作りしてみるといいです。





 この打ち込むという作業が重要で、これにより、DAWを使う意味が生まれてきます。


 曲に使われているすべての音を打ち込み、データ化することで、より詳しく分析できますし、後で確認するときも、データを捉えやすく、分析がより容易です。


 打ち込みしない場合は楽譜化がいりますが、楽譜化するのは結構面倒です(^^;)。打ち込みせず、楽譜化もしない場合は、リズムや音高がデータ化されず、後々データを分析するのにむしろ時間がかかります。


 個人的には、DAWによる方法が、最も耳コピを十分なものにさせてくれると思います。





§ 精神論的な話




 耳コピは時間がかかるし、コードの音取りは難しいしで、根気がいります。


 心がついてきてくれない時もあります( ;∀;)。


 よって、挫折しやすいです。なので、最初は部分的にやるのがいいでしょう。


 コードに関しては、色んな曲のコード進行を分析することで、地力がつきます。最初は難しくても、徐々に推測ができるようになって、楽になっていきます。


 伴奏よりメロディを先に耳コピし、次いでコード楽器を耳コピする手順を踏めば、コードの推測がしやすくなるのでおすすめです。


 また、ベースはコードのルート(Cならド)を弾くことが多いので、ベースを先に取るのも有効です。


 難しいなと思ったら、バンドスコアなどを参考に、コード進行の勉強をしてみてください。コード進行の知識があるのとないのとでは、分析力にずいぶん差がつきます。


 最後に。もちろん、全曲通して分析できることが望ましいです。コードも、完コピできるのがいいです。


 しかし、あまり気負わずにやるほうがよいでしょう。気になる部分をちょっとだけやるでもいいですし。


 コードも、間違っていてもいいです。取ることに神経質になりすぎないほうが心にやさしいです。


 大切なのは継続だと思います。耳コピの上達にも継続は大事です。そして、継続しやすくなるよう、気楽に耳コピするのが良いのでしょう(個人的な意見です)。


 


 の記事では、クラシカルなアンサンブルによる楽曲素材を、無料で提供しています。


 ダウンロードされる場合、free1
画像の赤囲みの部分をクリックしてください(これ自体はただの説明用の画像です)。





〇卒業を連想させる曲




〇感動的な曲(※最初からクライマックスVer)




※素材は、このページにおいて、随時追加していく予定です。






~利用について~


 利用に関しては、報告はいりません。また、使用した際に、著作者の情報を明示する必要もありません


 無料で利用できます。


 用途も自由で、YouTubeなどで動画のBGMとして使用したり、お店で流したり、いかようにも使用できます。


 内容を改変したり、サンプリングして使用したりしても構いません。


 商用利用しても構いません(個人、法人を問いません)。


 もし曲に関して、もっと長く/短くしてほしい、速く/遅くしてほしい、あんな曲やこんな曲が欲しい、などのリクエストがありましたら、コメントまでお願いします。可能な限り対応します。


 なお、僕自身の作曲レベルの低さから、現状、クラシカルなアンサンブル曲しか提供できません。すべてのリクエストに応えられるわけではないので、悪しからず願います。


※すみません。内容に誤りがありました。


 Saki以外の歌声データベースに関して、商用利用の際に申告等が不要であるかのような内容になっていました。


 正しくは、Sakiに関してはライト版でなければ商用利用可能です。


 そして、それ以外(小春六花や、弦巻マキなど)については、それぞれ別々の規約があり、商用利用についても個別に規約を確認する必要があります


 詳しくは、記事の下のほうで述べます。





 Synthesizer V Studio ProをVSTプラグインとして使うのに少々難儀したので、やり方をブログに書いておくことにしました(2021年6月13日現在のものです)。


 しかしながら、非常に申し訳ないのですが、この記事は不完全です。プラグインとして使えるようになるまでの完全な情報が記載されているわけではありません。


 ただ、少しでも有益な情報が欲しいと思う人がいるだろうと思って、こうして記すことにしました。


 この記事は不完全ではありますが、人によっては、この記事の内容だけでVSTプラグインとして使うことを成功させるかもしれません。少しでも情報が欲しい、と思っている方に捧げます。


※僕自身それほど詳しいわけではないので、あまり期待しないで読んでください(;´∀`)。


 問題は、Synthesizer V Studio Proが最新の状態でないことに起因します。それ以外のケースについては申し訳ないですが、僕では教えられません。すみません……。


 まず、Synthesizer V Studio Proを起動します(DAWを立ち上げるのではなく、SynthVをスタンドアローンで起動します)。


synthv1_1



 このような画面が出てきます。右端にある雲にチェックが入ったみたいなマークに注目してください。


synthv1_2



 これをクリックします。


 すると「ライセンスとアップデート」という項目が出てきます。


synthv1_3



 上のような画面です。


synthv1_4



 上掲の赤囲みの部分をクリックします。


synthv1_5



 そして、上のように「アップデートを確認」をクリックします。


synthv1_6



 最新のバージョンが表示されるので、あとは、下のほうにある「アップデート」をクリックします。


 そして、非常に申し訳ないのですが、ここから先の操作についてはうろ覚えなため、書かないことにします( ;∀;)。本当にすみません……。


 フォルダを表示して、ダウンロードしたファイルをクリックしたような、しなかったような……。すみません、間違ったことは書けないので、ここでは書かないでおきます。


 ちなみに、僕はベクターでダウンロード版を購入しました。ほかの購入ケースの場合、状況が異なる可能性があるので注意してください。


synthv1_7



 また、付属するSakiのライト版は、解凍したフォルダにある、「Synthesizer V Saki lite」というフォルダの中にあるsaki-lite-installを起動してインストールする必要があります。





§歌声データベースの商用利用について




 一応書いておきますが、2021年6月13日現在においては、Saki ライト版は商用利用できません


 個人製作の場合にのみ発表が認められており、発表の際には「Synthesizer V Saki ライト版を使用」と明記する必要があります。


 なお、ライト版はAHSのサイトから無料でダウンロードできます。すべてライト版ですが、種類は多いです。


 ライト版でないものに関しては、“Sakiについては”商用利用可能で、発表の際に何かしらを明記する必要もないようです。


 ですが、将来どうなるかわかりませんので(例外となるキャラが発売される可能性もありますし)、一応確認したほうがいいと思います。→訂正します。規約に関して、いくつか情報を付記しておきます。


 小春六花に関しては、こちらを参考にしてください(※2021/7/10現在)。


 簡単に言えば、商用利用には許諾が必要です。ただし、いくつか非商用とみなされるケースがあります。ここで簡単に書くこともできますが、非常に重要なことなので、サイトで確認してください。


 弦巻マキについては、こちらを参考にしてください(※2021/7/10現在)。


 簡単に言えば、法人であれば法人契約を結ぶ必要があり、営利目的である場合の、個人やサークルでの利用であれば、AHSに問い合わせる必要があります


 何が非営利となるか、などの判断はやはりサイトで実際に確認して行ってください。


 琴葉茜・葵についてはこちらを参考にしてください(※2021/7/10現在)。


 利用については事細かく決められており、こちらでは書ききれません。必ず確認してください。


 GENBUについては、すみません、ちょっと見つけられなかったです。非公式ですが、こちらを参考にしてください(※公式サイトではないので注意してください)。


 Saki以外の歌声データベースについても、ライト版でなければ申告無しで商用利用可能かのように書いてしまっていました。お詫びして訂正いたします。


 なお、今後追加される歌声データベースに関しても、規約をよく確認するように願います。






 まずキャラから知って、歌声データベースをまず買った、という人もいるかもしれません。


 その場合、Synthesizer V Studio ProがなければVSTプラグインとして使用できませんので、その点も注意してください(歌自体は作れますが、DAW上でプラグインとして使うことはできません)。


 作において、オリジナリティは本質的なものなのかもしれません。


 芸術とも関わる考え方で、オリジナリティを評価の最大基準にしている人も少なくないと思います。


 僕は、学生の頃に現代音楽の影響をモロに受けて、創作においては、独創的な発想が非常に重要なのだと思うようになりました。


 今はいろいろ学んで、その限りではなくなりましたが、それでも人と違う表現をしたいという欲求は残っています。





§研究、という発想




 結論から書きますが、真似ではなく研究というスタンスであれば、自然に他者の作品の持つ要素を自分に取り入れられると思います。


 真似が嫌いな人、真似は良くないと思う人、真似が苦手な人、そんな人たちでも、研究という立場に立つことで、これは真似ではないと思うことができるわけです。


 できるわけです……よね?


 研究とは、真似ではなく、普遍性を探す行いです。音楽なら、色んな曲の共通点とか、逆にジャンル別の相違点だとか、曲の持つ何か構造的なものだとか、そういうものを見つけていきます。


 僕にこの考えを教えたのは、20世紀前半の作曲家、バルトークです。


 現代音楽にとらわれ、オリジナリティがないとダメ(今にしてみれば、現代音楽にもセリーとか偶然性とか、潮流(流行り)はあるんですよね。オリジナリティってなんだろ? 流行ってなんだろ? って思います)と思っていた僕に、バルトークは教えてくれました。


 民謡を研究する、研究によって得た知見で曲を書く。


 同じように、ポピュラー音楽やクラシック、民族音楽を研究して、何か共通性のようなものを見つけてきて、作曲する。


 あるいは相違点を見つけて分類し、作曲し分ける。


 (音楽)理論についても同様です。理論は分析のために必要になりますが、研究にはもちろん分析はつきものです


 なので、たとえ独創的でありたくても、やっぱり理論も学んでおいたほうがいい、ということになります。





§完成度




 僕の好きな創作スタンスに、実験があります。


 今までやってこなかったコード進行やアレンジ法を試して、そこで得た効果をもとに作曲を進める方法です。


 こうすることで、オリジナリティを得ることもできます。真似が苦手な人にうってつけのやり方のように思います。


 しかし、この方法には欠点があります。


 誰も試していないやり方を無理やり使うと、完成度が低くなってしまうのです。


 これは、実験のみならず、真似をしないすべての人に言えることです。


 完成度の低さ、それが、真似をしないことの最大の欠点です。


 様々な表現者たちが今まで積み重ねてきた創作法、それに背を向けるわけですからね。一から積み上げていては、とても創作史が培ってきた時間の傑作たちにはかないません。


 真似をする人としない人の作品の違いは、電気が当たり前のように使えて、スマホでブログを書いたり読んだりするような現代人と、自力で火おこししなければならない大昔の人の違いのようなものです。


 火をおこすことから始めて、発電所から自分の家へ送電されるようなしくみを作るまで至るのは、……ええ、どう考えても無理ですよね。


 自分の作品が、そういうプリミティブ(原始的)なものであるほうがいい、というなら、もう何も言いません。でも、そうでないなら、真似したほうがいいのです。


 これは本音です。でも、研究というスタンスは、建て前として使えます。


 音楽を極めるために研究しないといけないから、これは真似じゃない、と。考え方を変えられます。


 現代文明級の完成度を持つ作品を作りたい、そんな人が、それでもなお真似したくないなら、研究というスタンスを取ってみてください。


 バルトークのように。





 バルトークの音楽を聴いてみるとわかりますが、結構難しい作品が多いです。


 当時の流行(表現主義など)から影響を受けており、民謡研究によって得たものを感じにくい曲も少なくないです。


 要は、真似しても、真似っぽくなくできるというわけですね。それは念頭に置いておきましょう。


 なお、既存の作品の作り方を真似しながら、実験的な要素を取り入れることはできます。


 イメージ的な言い方にはなってしまいますが、実験しつつ、完成度を高めることもできるわけです。


 今まで誰も見つけなかった新しい表現が欲しい、という人は、やってみてください。


 音楽が多様であるように、誰かは実験しているんですよね。


 新しいことを試す人がいて、それが色んな人の間で、徐々に磨きをかけられていく。


 その積み重ねにより、さらなる展開として、現代では温故知新的な発想で、過去のジャンルが顧みられたりもする。


 創作の歴史は一言では言い表せない複雑さがありますね。


 それはともかくとして、実験というのは、その実、やっぱり完成度に気を付けないといけません。


 僕の場合ですが、実験的なことをするときは、試行錯誤を繰り返すことが多いです。そう簡単には上出来な作品にならないです。難しいですね。









 似たような記事を以前書きましたが、そのときは冗談めかしたものでした。


 今回は、真似するしないについて本気で悩んでいる人向けに書いてみました。


 真似したり、真似しなかったりすると、命を取られる、ってわけではないので、気楽に考えてもいいと思います(僕が何も考えてなさすぎるのかもしれませんが(-_-;))。


 近、Studio One ArtistをVSTに対応させるうんぬんの記事がよく読まれています。


 たぶん、初音ミクNTを買って、付いてきたStudio One Artistのバージョンが4(VSTに対応していない。5以降は対応しています)だったので、VSTがらみで読みに来られたのだと思います。


※2021/04/04現在は、VSTに対応していないバージョン4がバンドルされているようです。Piapro Editionという特別版ではありますが、初音ミクが使えるだけのものです。


 VSTといってもよくわからない、という方もおられるかもしれませんね。大雑把に言えば、音源とか、プラグイン・エフェクトとか、そういったもののことです。


 Kompleteとか、Omnisphereとか、Serumとか……、聴いたことがある方もいらっしゃるでしょう。


 まず、Artistをバージョン5にバージョンアップすれば、VSTは使えるようになるので、それだけはやっといたほうがいいと思います。


 それすら無課金でなんとかしたい場合は、音色は少ないもののArtist Instrumentsを使ったり、Sample OneImpactにスマホ等で録音した音を読み込ませて使ったり、Mai taiというシンセを掘り下げてみたりしてみてください。


 付属エフェクトのAuto Filterで音を加工したり、Analog Delayで面白いエコーを作ったり、音源やエフェクトのオートメーションを書いたり……。できることはいろいろあります。


 しかし、やはり、有料のプラグインのほうが、音はいいです。また、あまり時間をかけずに魅力的な響きにたどり着くこともできます。





§VSTには対応させたけど、あとはひとまず無課金でやりたい、という場合




 無料のプラグインもネット上にあります。


 そして、おすすめのユーチューバーさんがいます。LOBOTIXさんという方です。





 難しいでしょうか? でも、たくさん動画を上げてらっしゃるので、シンセをいじりつつ色々見てみてください。


 レベルが高い分、得られるものは多いはずです。


 Vitalというフリーシンセについては、僕はチェックしていないので、ググってもらうとして(すみません……)。


 でも、シンセにはそれぞれ似通った部分がありますから、知らないシンセについての使い方を見ているだけでも勉強になるんですよね。


 Serumについての動画も多いので、EDMを書きたい方にもとてもおすすめです。


 もし、もっとアコースティックな音楽を作りたいという方は、残念ながら有料音源に手を出さないといけません。


 打ち込みで魅力的なアコースティックの曲を書く場合は、高価な有料音源に手を出さないといけません。


 しかも、とても高い( ;∀;)。


 なので、無料で頑張りたい方は、ソフトシンセを勉強してみましょう。現代の楽器であるソフトシンセには、アコースティック楽器とはまた違った魅力があります。


 いろいろ勉強してみてください。


 剣伝説2のサントラの1曲である、少年は荒野をめざす。菊田裕樹さんという方が書いたこの曲は非常に素晴らしい作品です。今回は、これを耳コピしてみました。





§前置き


 耳コピはなかなか難しいので、簡易的な方法として、コードを正確には取らないやり方をしました。


 しばしば、コード伴奏は、1つの音色で、複数の音を同時に鳴らします。ピアノでドとミとソが同時に鳴ったりします。


 これを全部取るのはなかなか大変なので、今回は、ドとミとソのうち、トップノートだけを取るやり方をしました。トップノートは取りやすいからです。


 なので、コードは類推の部分も多く、そうでなくとも全体において間違いは少なからずあると思うので、参考程度にとどめてもらえれば幸いです。


※記事で記しているコードは、鳴っている音から類推したものです。実のところ、「少年は荒野をめざす」はあまり同時発音が無いように聴こえます。コードの構成の仕方は分散的(誤解を怖れずに言えばアルペジオ的)です。





 また、「少年は荒野をめざす」には複数のアレンジがあります。今回は、リメイク版の聖剣伝説2で使われた曲を耳コピしました。





§大まかな特徴


 ポイントはワンコードです。


 ブロックごとにコードは変わりますが、基本的にはワンコードの上で音楽が展開します。


 そのため、モード音楽的な性格が強いです。


※モード音楽とは、ここでは、ドリア旋法やミクソリディア旋法といったモードを使った音楽のことを指します。


 そして、ワンコードということで一見単純に見えますが、それぞれの楽器が(伴奏であっても)メロディ的なフレーズを奏で、さらに実際のメロディも通常の旋律と対旋律の2つを使ったものになっています。


 そのため、ポリフォニックな音楽とみることも可能です。


 なお、ワンコードとは言いますが、コード自体はあいまいなところもあります(伴奏もメロディ的に動くため)。非常に意欲的な作品です。





耳コピの方法について


 DAWでは、WavやMP3といった音楽ファイルを貼り付けることができます。まずは、「少年は荒野をめざす」を読み込んで貼り付けました。


 そして、メトロノーム機能を使って大体のテンポを読み取りました。耳コピしたい人のために参考用として書くと、だいたいBPM141.5ではないかと思います(正確ではないかも……)。


 あとは、曲で鳴っているフレーズを1つ1つ地道に取っていきます。僕はMIDIキーボードを持っていないので、電子ピアノを弾いて音取りしました。


 音が取れたら、DAWに入力します。なるべく曲に使われている楽器と近い音色を使います。


 このようにして取っていくことで、入力したフレーズを後から見返したりといったことがしやすくなり、分析がはかどります。


 ベースなどは、原曲を貼ったトラックにEQを挿すことで、高音を削って聴き取りやすくします。


 耳コピをするなら、DAWによる方法がいちばんよい気がします。





§伴奏


 冒頭、マリンバによるノリのいいリズムから始まります。


 キーはC、コードはF(9)、が妥当かと思います。


 マリンバはおそらく3トラックで、左右と真ん中で鳴ってます。


 左右はたぶんですが、オクターブ違いです。


 この3トラックが単音でフレーズを奏で、全体としてコードを形成していると思われます


 この点は非常に重要に思います。


 まず、左右のトラックと真ん中のトラックとで、フレーズが異なっています。


 左右はゆったりとした動きです。


 真ん中は上下に大きく動く、8分音符で刻むフレーズです。アルペジオに近い響きがします。


※著作権の都合で、コードは書けますが、メロディは書けません。申し訳ないです。


 コードは書いてもいいらしいです。ただ、楽譜にコードが記してある場合は書けないかも。



 左右と真ん中で違う動きをしながら、これらが組み合わさるとコードが自然と構成されます。


 ただの刻みでなく、2つの異なるフレーズが重なることで、伴奏にリズム感が生まれ、聴いていて心地よいフレーズになっています。


 コードはF(9)ですが、ノンコードトーンが出てきます。左右と真ん中それぞれのノンコードトーンが上手く重なって、一瞬だけEmっぽくなります。


 伴奏でありながら、ノンコードトーンを使っていることもあり、それぞれのトラックだけで見ると メロディのように聴こえます。しかし、1小節のフレーズが延々と繰り返されるため、伴奏としても捉えられるフレーズになっています。


 以下、似たような形でマリンバによる伴奏が続いていきます。AブロックはF(9)、Bブロックは半音移調してG♭(9)、CブロックはF(9)(ただし、メロディがレを印象的に奏でるため、Dm7(11)のように聴こえます)。


 基本的には、ブロックが変わっても、同じリズム構造のフレーズが続きます。若干フレーズが変化していますが、ほぼ同じです。


 Dブロックではマリンバの代わりにハープが出てきます。ここではフレーズが少し変わりますが、似たような感じです。コードはG7sus4です。


 Dブロックの最後にベースが入ってきて、Aブロックへと戻ります(2周目)。ベースと新しい対旋律が入るので、Aブロックと差別化するために、A’ブロックとします。


 ここから曲の構造が変化します。コードも、ベースが入って変化します。


 ベースが入ると、A’ブロックはDm7(11)になります。


 ワンコードですが、ベースは上手く変化させて、若干コードチェンジ感が生まれてます。


 B’ブロックはA♭7sus4に近いです。あるいは、G♭/a♭(小文字のa♭は単音のラ♭を指します。個人的に使っている表記です)。


 B’ブロックではベースがよく動き、A♭ミクソリディアン風の旋律になっています。


 ベースはあまりノンコードトーンを奏でません(でも0ではないです)。


 C'ブロックはDm7(11)、D’ブロックは実質Dブロックと同じです。そして、Aブロックに戻って以下繰り返しです。


 B'ブロックでのベースはシンコペーションの動きもあります。


 非常に旋律が重なって、ポリフォニックになっているところにベースが入っていきますが、破綻せずに成立しています。


 リズムの構成の仕方が巧みだからかもしれません。マリンバが8分音符を刻んでいるので、そこからズレなければ破綻は免れられるのかも。


 実際、ベースのシンコペーションも8分音符に沿って入ります。





§メロディ


 メロディの構成は、メロディと対旋律によるものです。


 メロディはアコーディオン、対旋律はクワイヤ(歌声)です。


 フレーズはとてもゆったりとしています。音を伸ばすところが多いです。これがポイントで、アコーディオンとクワイヤが上手く絡み合えるようになっています。


 Aブロックでは、コードのルートであるファの音を避け気味に、旋律が奏でられます。


 Bブロックは半音上のキー(D♭)に移調します。伴奏はほぼ半音上に上がって繰り返すだけですが、メロディは大きく変わります。


 ワンコードという単純な構成でも、移調やメロディを取り換えるだけでずいぶん雰囲気が変わるのだと思わせるものがあります。


 Cブロックはレの音がよく出てくる、上下によく動く8分音符の刻み風のフレーズになります。キーはCに戻ります。


 それまでのよく伸ばすゆったりとした動きと対比されます。


 レの音からドリア風に聴こえるように思いますが、実は、キーFのDエオリアンの可能性があります。


 2周目のA’ブロックから新しい対旋律が入ってきますが、これがC’ブロックでシ♭の音を奏でているためです。


 1周目のCブロックではシ♭は見られません(そして、ドリアを確定させるシもないです)。


 DドリアンなのかDエオリアンなのかあいまいではありますが、モード感が強いブロックになっています。


 A’ブロック以降、対旋律はストリングスが担当します。クワイヤはおそらく無くなっています。


 ストリングスは1.5拍での動きを多用する、ノリの良さをアシストするようなフレーズになっています。


 また、A’ブロックでのストリングスは明確にドリア旋法を奏でています。


 1周目のAブロックではルート(ファ)をなるべく避けた、あまりモード的ともいえないようなあいまいなフレーズでしたが、ベースが加わってコードも変化し、ドリアの感じが強く表れています。


 なお、対旋律は変わりますが、メロディのアコーディオンは1周目と変化しません(2周目でもすべて同じフレーズ)。


 ストリングスは比較的高い位置にあります。クワイヤはアコーディオンと絡み合うような近い音域にあったので、少し響きが変わってきます。


 B’ブロックはストリングス、ベースにより、ミクソリディア的な旋律が奏でられるため、A♭ミクソリディア(キーD♭)の響きがして、それまでのドリアの響きと対比されます。明るいです。


 なお、Dブロックですが、メロディはフルートが担当します。前半がDドリアン、後半がAエオリアンを思わせるフレーズになっています。


 全体を通して、コードは似たような感じなのですが、フレーズに変化をつけたり、モードを変えたりして雰囲気を変えています。


 2周目からベースを入れて、ルートを変えたり、対旋律を取り換えたり、似たような響きが続く中で上手く多様な雰囲気を演出しています。









 耳コピで得た知識をもとに、曲を作ってみました。





 コードはワンコード気味のツーコードで、キーはA♭、Fm→E♭、Fm→A♭を繰り返すような内容になっています。


 伴奏もメロディのように動くフレーズになっていて、2つの同音色の別トラックが絡むことでコードを構成します。


 その繰り返しの上で、メロディと対旋律が絡み合いながら動いていきます。


 これは予想でしかないですが、「少年は荒野をめざす」がサントラとして使われた聖剣伝説2は、元はスーパーファミコンのゲームです。


 同時発音数が限られてます。その中でコードを構成するとなると、アルペジオが自然な選択肢ですよね。


 アルペジオ、といっても、ドミソミド~みたいな単純なものでなく、凝ったものにする、一見アルペジオとは聴こえないようにする、そういうやり方もあるのですね。


 「少年は荒野をめざす」は、制約の中でいかに魅力的な曲を作るか、という工夫に満ちている気がします。たぶん……。


 もし聴いたことのない方は、試しにダウロード販売サイトなどで視聴してみてはいかがでしょうか? 僕の書いた曲の1000倍くらいは名曲ですので、よろしければ。


 ※追記

 Studio One Artistは、Studio One 5 ArtistからVSTに対応することになりました!

 したがって、以下の記事はもうほとんど無意味です。アドオンで対応させる必要はありません。Studio One 5 Artistにバージョンアップした方が安いです。







 初音ミクなどのソフトにバンドルとして付いてくるStudio One Artist。これは、実はVSTに対応していません

 Studio Oneにはいくつか種類があって、今のところ、VSTが使えるStudio One Professional(高機能だけど高価)、初音ミクのソフトなどにバンドルとして付いてくることの多いStudio One Artist(VSTが使えない)、無料で公開されているStudio One Prime(もちろんVSTは使えない)の3つがあります。

 また、一部の初音ミクのソフトに付いてくるStudio One Artistは、正確にはPiapro Editionと呼ばれるもので、通常のStudio One Artistとは少し仕様が違います。

 なお、Studio One ArtistはMUSIC EcoSystemsでダウンロード販売されています。バンドルで買った方がお得とはいえ、Professionalと比べればずいぶん安く買えます。



 僕は初音ミクV3を買って、そこに付いてきたStudio One 2 Artist Piapro Editionを、DAWとして今まで使っていました。

 Professional付属の音源、エフェクトプラグインと比べると、種類が少なかったり、リアリティに欠けたりして、少々物足りないところは否めません。VSTにも対応してないし。

 VSTに対応してなくても、付属シンセのカットオフやレゾナンス、ADSRなどをいじったり、オートメーション機能をいじることで色々な音が作り出せます。そうしてダマしダマし作曲してきたのですが、やはりVST……新たな音源を追加することの魅力には勝てませんでした。

 そういうわけで、Studio One ArtistをVSTに対応させることができるアドオンである、Studio One Artist VST/AU/Rewire Supportを購入しました。しかし、使用しているArtistに対して使ってみたものの、上手くいかなかったのです……。



§Studio One Artist VST/AU/Rewire Supportが適用できるArtist、できないArtist

 Studio One Artist VST/AU/Rewire Supportは現在リンク先のページで購入できます。しかし、詳細は書かれていません。

 より詳しくはこちらにありますが、VSTが使えるようになることぐらいしか書かれてません。

 これは憶測なのですが、どうも、この商品の画像にあるように、Studio One 3 Artist以降じゃないと使えないみたいです。初音ミクV3に付属していたStudio One Artistは、Studio One 2 Artist Piapro Editionであり、これをバージョンアップしないと、どうもStudio One Artist VST/AU/Rewire Supportは使えないようです。

 また、これも憶測になるのですが、Piapro Editionというのもマズい可能性があります。これについて、もう少し詳しく述べます。



§Piapro Editionのバージョンアップ・アップグレード事情

※残念なことに、今のところ、Piapro Editionのバージョンアップについて、アドオン込みで詳しく書かれたサイトはありません。僕はあまり裕福でないので、色々買って試すことができませんから、以下は憶測になります。ご了承ください。

 まず、Piapro Editionをバージョンアップさせたり、Professionalにアップグレードさせたりするには、通常のArtistのバージョンアップやアップグレードを使うのではダメなようです。Piapro Editionをバージョンアップ、アップグレードさせたい人はこちらで購入してください。

 では、少し整理しながら説明しますね。


・ArtistでVSTを使えるようにする方法

 ArtistでVSTを使えるようにするには、Professionalにアップグレードするか、アドオンであるStudio One Artist VST/AU/Rewire Supportを適用するかしないといけません。

※実際には、もう1つVSTが適用できるようになるアドオンがあるのですが、それについては申し訳ないですが説明を省きます。大雑把に言えば、Studio One Artist VST/AU/Rewire Supportにおまけが付いてくるようなアドオンです。

 問題は、もし使っているArtistがPiapro Editionである場合、アップグレードするのは上記リンク先から可能ですが、Studio One Artist VST/AU/Rewire Supportを適用することができるかどうかについては不確かなことです。この点について、今のところ、はっきりした情報がありません。


・別の選択肢

 Piapro EditionはアドオンであるStudio One Artist VST/AU/Rewire Supportを適用できるのか? 僕はこの懸念がどうしても気になってしまって、無駄遣いは避けたかったものですから、バージョンアップよりも多少高価になる、Studio One 4 Artistを購入してダウンロードする選択を取りました。

※Studio Oneの2020/05/05現在のバージョンは4になります。

 そして、Studio One Artist VST/AU/Rewire Supportを適用させたところ、無事、VSTの導入に成功しました(ノД`)・゜・。。よかった……。ほんとよかった……(感無量)。

 その頃、ちょうど安売りしていたので、アドオンと合わせて17,000円くらいで済みました。アップグレードするよりは安く済んでいます。

 値段もそうなんですが、僕にとってアップグレードにはもう1つ難があって、それは、DLの容量です。

 僕はテザリングでネットを使っているので、DLできる通信量に制限があるのです。

 現在のところ、3日で6GB以上通信すると制限がかかる、などの制限が、各社あるようです。携帯電話会社や契約によって違うようですが。こういった類の制限は、WiFiにもあります(※制限の内容は契約によって異なりますが、いずれにしろ、光回線を使わない電波通信によるDLには、2020/05/05現在、容量的な問題が付きまとっています。通信無制限のサービスでも、一度に何十GBもダウンロードするのは不可能な場合があるので気を付けましょう)。

 Studio One Artistに比べると、ProfessionalはDL容量が多いのです。もちろん、ダウンロードはカスタムで行えるので、必要のないループ音源とかその辺をダウンロードしなければ小容量で済むのですが(実際、Studio One 4 ArtistのDLでも、チュートリアルなどいくつかの付属物をダウンロードしませんでした)、でも主要な音源がDLできないのは悲しいですし……。

 将来的には色々音源をDLしたいのですが、それはこれから到来する5G時代に期待することにします。


・Piapro Editionにこだわるなら

 僕が、使っていたStudio One 2 Artist Piapro Editionに対してStudio One Artist VST/AU/Rewire Supportを適用できなかった理由。それがバージョンの古さにあるのなら、バージョンアップして再度適用すればいいです。

 おそらく、バージョンの古さが関係していたと思います。でも、もし、Piapro Editionには適用できない可能性があったら?

 Piapro EditionもProfessionalにアップグレードすればVSTは使えますが、そこまで金額的に、ネット環境的に手が出ないという人は、もしかしたらPiapro EditionはアドオンのStudio One Artist VST/AU/Rewire Supportが適用できないかもしれない、ということを念頭に置いておくといいと思います。経済的に余裕があるなら試してみてもいいかも? そして、ブログ等で発信してもらえると助かります。

 Piapro Editionにこだわる理由としては、やはり初音ミクを使えるという点です。でも、アドオンでVSTに対応させれば、Piapro EditionでないArtistでもPiapro Studio VSTiは使えるようになるわけで、もしすでに初音ミク等のソフトを持っているなら、確実に対応させたいなら、Piapro EditionでないArtistを買い直すのも1つの手だと思います。



 不確かな情報ばかり、憶測ばかりで申し訳ないです。ただ、とにかくこれらの点について情報があまりに無かったので、不十分ではありますが記事にしてみました。多少でも参考になれば幸いです。

 なお、以上にあるリンク先のページは、将来なくなる可能性があります。MUSIC EcoSystemsも、もとは違うサイトだったものが最近リニューアルしたものですし、そういう変化が今後ないとは言えません。申し訳ないです。





 VSTに対応させたら、まずは色々なフリーの音源をDLすることと思いますが、最初にはNative Instrumentsの無償音源がおすすめですよ。

 Komplete Startは通信容量的に難しい、という人も、DLの際にNative Accessをインストールすることになるので、これを起動すると、欲しいフリー音源を個別にダウンロードできます。

※僕自身はKontakt 6 PlayerをDLした際に、Native Accessが付いてきて、それによってDLしました。ただ、最初に起動したときはKontakt 6 Player以外のソフトがダウンロードできなかったので、その辺はよくわからないです。通信容量的な都合で、アドオンを買う前に前もってKontakt 6 PlayerをDLしたので、それから数か月たった今ではDL可能なすべての無償製品をDLできるようになっています。

 無償とは思えない素晴らしい音源が少なくない数手に入りますので、VSTのすごさを実感する最初の音源として十分だと思います。これに気をよくして、NI社の製品やKontakt音源を購入するようになる未来が見えます(;´Д`)。僕は、通信上の問題や、使っているノートPCのスペック的に難しいので、購入まではだいぶかかりそうですが、いずれはKompleteを入手するつもりです。それまで少しは作曲レベルを上げたい(;´∀`)

 設定や世界観は、ただあるだけではダメで、物語やゲームに活かされないといけないものだと思います。なんですが、僕は世界観というものが好きで、物語とかゲームとか関係なく、むしろ世界観の方を楽しむことがあります。

 ここでは、MTGの新セットイコリア:巨獣の棲処の世界観を少し紹介したいと思います。このイコリア、世界観好きの人にはすごくおすすめです。

 こちらのページで、その世界観が紹介されています。紹介者はビビアン・リードという作中の人物で、MTGにおいて重要な5色の1つ、緑色のタイプの性格をしています。それゆえ、発言の内容が多少自然派的ですが、それイコールMTGというわけではありません。

※MTGというのはアメリカのカードゲームで、日本など多くの国と地域で発売されています。日本語版もあり、リンク先も日本語のページです。



 イコリアという次元には、変容する怪物たちがいて、姿かたちが変わるんですね。不思議な世界です。

 怪物たちは獰猛だったり、巨大だったりして、そこに住む人間たちは、進撃の巨人の世界のように巨大な壁を作って身を守っているようです。あるいは、気球のようなものを使って、空を飛ぶ怪物たちを避けながら上空に身を潜めていたりします。

 多数の飛行船から作られた都市「スカイセイル」。魅力的ですね。アートがすごくカッコいいので、上記のリンク先の記事を一読されることをおすすめしますよ。アートを見るだけでも楽しめると思います。



§支配的な怪物相

 MTGというカードゲームには土地というものがあって、ゲームにおいて重要な役割を果たします。それゆえに、新しい世界に来訪した際には、特徴的な土地が設定されることが多いです。

 イコリアの世界には重要な5つの土地(トライオーム)があり、そこには支配的な怪物相が存在します。

 5つのトライオームである、サヴァイには猫、ケトリアにはエレメンタル(自然現象が動物などの姿と化した存在)、インダサにはナイトメア(目がたくさんあったり、脚がたくさん生えていたりする存在。恐怖の具現化した存在らしい)、ラウグリンには恐竜、ゼイゴスにはビースト(巨大な獣)が支配的な存在となっています。

 イコリアの怪物たちは変容する特徴を持っていて、突然2つ目の頭が生えてきたりするらしいのですが、その原因は、この世界に広く存在する水晶なのだそうです。

 アートを見てもらうとわかりますが、土地に水晶がたくさん描かれていて、幻想的で非常に美しいです。目で楽しめるだけでなく、この水晶が怪物の変容の原因となっているというのが面白いですね。



§変容や具現

 世界観に対して、僕たちが想像でそれを補って楽しむのも1つの遊び方だと思います。

 このイコリアの世界では、エレメンタルやナイトメアといった、自然の具現化した存在、恐怖の具現化した存在が出てきます。また、怪物たちは変容し、複数のクリーチャーの性質を同時に持っていたりします。

 僕は、これがまるで人間の思考のようだと思いました。柔軟で、変化に富んでいる。自然や恐怖の具現化というのも、人間の思考に似た存在であるように思えます。

 リンク先のページに、恐竜は岩の憤怒の具現のようなものとか、そんなようなことも書かれています。支配的な怪物相は、そうした感情とか、自然現象という捉えがたいものが形を成したようなところがあり、思考するということ、物事を捉えるということ、そういったことと似ています。

 まあ、猫とビーストは関係ないですが……。あれかな、猫はかわいさの具現かな? いや、ライオンとかも猫扱いされてるんですけどね、MTGの世界では。

 でも、人間の思考と関係あると考えたときには、この世界の水晶っていったい何物なんだろうか、という想像も結構はかどりますよね。MTGの世界は基本的に魔法の世界なので、魔法によって思考と世界とが結び付けられているのかな? 水晶はその媒介的な? とか。

 ちなみに、イコリアでは人間は変容しません。MTGの世界では、人間も猫やエレメンタルたちも「クリーチャー」として一緒くたに扱われるのですが、そのクリーチャーの中で、人間だけが変容しないというのも、意味深長ですよね。



§怪物たちからわかるいくつかの要素

・イルーナ

 イルーナはに関した怪物で、人の夢を叶える力があります。また、目覚めている世界(起きている世界とでも言いますか)の論理を否定しているそうです。

 面白いのは、眠ってみる夢と、人が思い願う夢が同一視されていることです。日本語でも同じ夢といいますが、英語でもそうなんでしょうか? それとも、この夢を叶えるというのは、眠りの世界を現実化してしまうということなんでしょうか?

 目覚めている世界の論理を否定している、というのも特徴的です。夢の世界が本当の世界で、起きている世界はそうでない世界、そんな価値観が読み取れますね。

 イコリアの特徴である怪物たちの変容も、思考に似ていると同時に、夢にも似ています。もしかしたら、何か関係があるのかも?

 イルーナは夢から怪物を作り出せるようですが、水晶と怪物の親和性を考えるに、水晶と夢にも何らかの関係があるのではないかと推測されます。

 夢を叶える、というのも、思考を現実化してしまう、と読み取ることができます。イコリアの世界の不確かさ、思考との境界の曖昧さが表れているような気がします。

・ネスロイ

 MTGの世界では、しばしば魂と呼ばれる存在が出てきます。それは肉体と不可分のもので、ただ、死によって分離され、霊となるもののようです。

 死の扱いは世界によって異なるのですが、イコリアではこの魂が存在する世界のようです。そして、ネスロイは魂を操るようなところがあり、また、ネスロイに食べられると、魂まで食べられてしまうようです。

 魂まで食べられた存在は、その存在を消し去られてしまいます。なかなか想像的な考え方ですが、イコリアにおける存在とは何か、みたいなことも少し考えてしまいます。

 肉体も魂も存在に影響していて、どちらかが滅んでも存在は消えないのかもしれません。イコリアの不思議と存在という考えの関連は興味深いですが、存在とは何かみたいな哲学的な話は難しくて、なかなか上手く捉えることはできません……。

・ヴァドロック

 ヴァドロックという怪物の吐く炎は、街を破壊するだけでなく、その街についての記憶すら失わせたらしいですね。意味がわかりづらいですが、おそらく、その街について知っている人がいなくなったということでしょう。

 そうなると、じゃあ何故そのことを知っているのか? と疑問に思ってしまいますが、でも面白い設定だと思います。

 街、あるいは人間にとって意味のあるなんらかの存在。それについての記憶を失わせたというのは、現代的な感覚で言えば、すべての人の脳からその情報を抜き取った、と解釈できます。

 でも、僕はそのようには思いません。魔法的な、あるいは空想的な価値観で、すべてのものの記憶は、そのものに宿っているのだ、と考えることができるのです。ややこしいですが、例えば街についての私たちの記憶は、私たちが持っているのではなく、その街自体が持っている、みたいなことですね。

 あえて普通の感覚で解釈するなら、街が記憶を持っていて、私たちはその記憶を知覚している、といったところでしょうか。

 街が滅んでも、私たちはその記憶を失いませんが、ヴァドロックの吐く魔法の炎は、街に宿っている記憶まで滅ぼしてしまったのでしょう。

 こう考えたときに、このイコリアという世界にとって、記憶とは何か? という疑問も出てきます。

・ブロコス

 ブロコスは遥か昔から存在している巨獣のようです。イコリアにおける時間と少し関係があるかも?

 正直な所、存在とか時間とかいった話は、世界観を盛り上げるフレイバーにすぎず、深い設定作りはなされていない可能性も十分あります。ただ、それが真実にしても、こうして想像して、設定を補っていくのは二次創作的で楽しくもあります。



§アートからわかるいくつかの要素

 亀の甲羅のようなものを持った巨獣がアートにいますが、この巨獣、水晶を食べてますね。背中にも水晶が生えているし。水晶とクリーチャーは混然一体の存在なのかもしれません。

 空想を膨らませれば、クリーチャー、あるいはイコリアそのものも、水晶から生まれた存在なのかもしれません。ただ、イコリアの地形が変容するという情報は無いので、どうして(人間以外の)クリーチャーだけが変容するのかというのは不思議な点です。

 土地は生命ではない、と考えて、生命特有のものとみることも可能ですが、それではエレメンタルがちょっと例外な存在になってしまうし……。

 変容する存在と、しない存在。その2面性は興味深いですね。



 怪物たちは自然発生するわけではないようです。あるいは、そういう怪物もいるかもしれませんが(エレメンタルとかナイトメアとか)。アートに卵が書かれているんですよね。文章の中にも、恐竜が卵をうんぬんと書かれているし。

 ちゃんと生物的な営みもしているわけです。水晶とクリーチャーには何かしら関わりがあるようですが、クリーチャーが水晶から生まれたにしても、クリーチャーからクリーチャーが生まれることも確かにあるようです。

 こういう普通の生態系を見ていると、イコリアと思考の関わりが急に非現実的に思えてきますが、まあ、生殖って不思議だし? 正直、無理矢理関連付けてる感否めないですが……。

 イコリアの怪物たちは色々混ざっているわけですが、猫や恐竜、ビーストのような、どちらかというと生物的なものもいれば、エレメンタルやナイトメアのような魔法的なものもいるということで、魔法っ気の薄い連中が生態系を作り出したのかな?

 完全に僕の想像でしかありませんが、イルーナの否定する起きている世界の論理というのは、そういう生殖的な世界の論理なのかもしれません。





 イコリアの不思議な世界観を少しでも楽しんでもらえたなら幸いです。こういう、人間の思考と世界が結びついた世界観って、面白いことが多いです。僕の好みなだけかもしれませんが。

 カードの情報はまだあまり出てきてないので、これからもっと設定を補完できる情報が出てくるでしょう。何かわかったら、また記事にするかもしれません。

 ここに書いたことは多分に空想が混じっていますが、世界観はそれに触れるだけでなく、それについて空想することも1つの楽しみだと思います。皆さんも、自由に想像の翼を広げて、色んな作品の世界観を自分なりに楽しんでみてください。



 YouTubeに上がっていた現代音楽の動画で、面白い(色んな意味で)と思ったものを紹介してみます。ディーター・シュネーベル作曲のノスタルジーという曲です。

 演奏者は現代音楽作曲家の川島素晴さんです。これが現代アートというものなんですねぇ。ええ、正直に理解不能ですが、こういうのもアリといえばアリですか。

 会場中静まり返ってるのがすごいですよね。僕は最初見たときは爆笑してしまいましたが(^^;。13分10秒もあの調子ですよ(長い……)。

 ジョン・ケージの4分33秒を発展させたような音楽性ですが、聴く音楽というよりは見る音楽らしい。見ることと聴くことが同時に存在していると言えば、古くはオペラや、映像といったものが存在しますが、そういうものがすでに存在している現代においては、もうちょっと発展性が欲しい気がします(とても真面目な意見)。

 僕自身は、実験性とか独自性を持った音楽に興味はあるものの、もっとポップで聴きやすい曲が好きです。でも、このノスタルジーの“楽しさ”は魅力的ではあります。ちょっと音楽として紹介するのははばかれるものの、楽しいなぁと思ったものは、こうして今後も紹介していきたく思います。

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